開催日〜3月7日
会期延長!『カザマナオミ移動美術小屋
アペンハヴァイ-APenhaveI-』展
好評を博しております、カザマナオミ展の会期を3月7日(日)まで延長することになりました。
この度、Camp&Go White Wall Room にて湘南・江ノ島に拠点を構えるアーティスト、カザマナオミ『カザマナオミ移動美術小屋 アペンハヴァイ -APenhaveI-』展を開催いたします。
本展は、タイトルにある「カザマナオミ移動美術小屋」の名のとおり、江ノ島のアトリエに設置されている自身のアートスペースをニセコへ持ってこようという試みです。
ブランクシルクスクリーンという図柄のない無地のままのスクリーンを使い、偶然性を積極的に捉えたカザマナオミの代表的な作品は、作家の意図を極力排除することでインクとスクリーン、そしてスクレーパーによる一期一会の痕跡として私たちに提示されます。
作品における無意識性といえばジャクソン・ポロックのドリッピングの技法や抽象表現主義の作家の特権であるようにも思えますが、カザマナオミの芸術においては、そういった技法や主義の枠からも解き放たれた、作家の生き方や取り巻く世界のあり方に最も同調するものとして取り入れられます。
そして、カザマナオミの作品は、作家が日常的に取り組んでいるヨガやサーフィンなどからも大きな影響を受けているということも見逃せません。
この度のニセコ滞在では、スノーボードも楽しみにしているとのことで、雪が作家の作品に何を与えることになるのかも興味を引くところです。
もうひとつ、「アペンハヴァイ」という耳慣れない言葉は作家による造語です。
この不思議な響きにいざなわれ、カザマナオミの世界に触れ、感じていただきたいと思います。
会期中に古着などをアップサイクルするためにスクリーンプリントを行う「ライブシルク」などのイベントも企画しています。
追って詳細をお伝えしますのでご期待ください。
なお、新型コロナ感染症の拡大状況等の対応で、入場制限等を行う場合もございますのであらかじめご理解いただきますようお願いいたします。
豊嶋秀樹(Camp&Go キュレーター)
『カザマナオミ移動美術小屋 アペンハヴァイ ~ A P e n h a v e I ~』展
会場:Camp&Go White Wall Room
会期:2021年2月13日(土)- 3月7日(日)
営業時間: 12:00 – 19:00
定休日:木曜日
入場:無料
お問い合わせ:0136-55-5161(代表SPROUT)/お問い合わせフォーム
※会期中のイベントや最新情報は、Camp&Goのウェブサイトやインスタグラム(campandgo.niseko)などでお知らせいたします。
カザマナオミインタビュー(参考ウェブサイト):
https://paddler-shonan.com/paddler/mr-naomi-kazama/
アペンハヴァイ
A Pen Have I.
私はペンを持っている
っと思っていたら、実は
ペンが私を持っていた! 大自然の自由な振るまいの中に身を置いたとき。
大量の水のうねりの力を受け乗ったとき。
何度も図柄を繰り返しプリントして、その図柄自体が不要であると気付いた時。 ペンが私を持っていたのだ!
とそれを知ったのです。 それとは
オレ様がペンを操り自由にその権力を駆使出来るという勘違いではなく、
もうすでに全てはあり、ただ自然に委ねるということ。 正に自ずとそう然る と書いて自然。 そんな気付きをニセコにて共有させていただけたら
これ幸いです。
カザマナオミ
カザマナオミ プロフィール
アーティスト 鎌倉生まれ
1998年、カリフォルニア州、サンディエゴにてストリートアートの先駆者 OBEY、シェパ ード・フェアリーとの出会いからシルクスクリーンプリントを学ぶ。
彼のアートを通じて社会へアプローチをする方法に興味を抱き制作を始める。
帰国後、ストリートにて(スクリーンプリントポスターを貼り)、作家活動が始まる。
同時期に東京、中目黒にギャラリー 『大図実験 』を友人とオープンさせる。
海外からアーティストを招聘し、ギャラリーに集うアーティスト達との交流を促進、国内外のアーティストへの製作、展示空間の提供を行い、ストリートの延長上を表現する偏った文化交流発展の場となった。
(当時の様子を収めた Von Azain! / 2005 自主出版本、ギャラリーに集った作家達の今の作品とインタヴューを収めた DYZ / 2012 Bueno Books の本がある。)
NY と東京をベースに活動するアーティストペインティングコラボレイティブ, バーンストーマ ーズへの参加を機に様々な手法や視点を学ぶ。
路上でのライブスクリーンプリント活動、『BIG O project』にてオーガニックコットンの認知度向上や古着などのアップサイクルを促すプロジェクトを2010年よりパタゴニアや山と道店舗、全国各地で開催されるイベントで行う。
近年は、具発的に起こるハプニングの重要性に気づき、図柄のない無地のブランクシルクスクリーンプリントを使用した表現に重きを置くようになる。
ブランクシルクスクリーンは、液体であるインクに「自由な態度」をとることを可能にし、そこから生まれる色彩構成と、有機的なグラフィックとの合成による抽象的な表現に重要な役割を果たしている。
こうして非作為的な方法によって立ち現れる形象は、カザマ自身が圧倒されるのと同時に魅了される自然と生物の営みを映し出しているかの様である。意図せずに成り立つ全ての存在がおもしろく、それはまるですぐに波にかき消されるであろう砂浜に残された足跡のように美しい。
以降、カザマナオミの創り出すアートはブランクシルクスクリーンによる様々な色彩の表情を作品とするようになるが、それはあくまでも表面的な話であり、そこから発せられるメッセージは、枠を取り外し、混沌とした森羅万象のように「自由な態度」をとってもらいたいということである。